2013年7月28日日曜日

Rosemary



ローズマリー

学名:Rosmarinus officinalis
科名:シソ科 
抽出部位:葉
抽出方法: 水蒸気蒸留法
ノート : トップ






◇ 歴史


Rosmarinus 「海のしずく」そして officinalis「薬用の」という意味合いの学名を持つローズ

マリー、語源のRos = 露(つゆ)  marinus = 海の というように昔から海岸近くに沢山生え

いることから名付けられたようです。

古代の人々はローズマリーを愛と忠誠心、復活の象徴として聖なる植物ローズマリーをと

も重宝しました。多産の象徴ともされたローズマリーは結婚式では花嫁の冠にされこ

幸せが永遠に続くようにと祈りを込めました。生きているものには慰めを、死者には

平安を与える植物とみなし神々の像をこの枝で飾り、お葬式の席では亡くなった人への敬

意を払い思い出をずっと忘れないようにという意味でローズマリーの枝を炙り煙を燻らせ

ながら香らせていたそうです。この逸話には消毒抗菌効果があることも含まれていて、

人々は死体からの感染を防ぐ為にローズマリーの小枝を持ってお葬式に参列していたり、

病気の拡大を防ぐ為にお墓に埋める棺桶にはローズマリーの小枝を投げかけたりもし

たそうです。 そう、ローズマリーはヨーロッパ全人口の1/2が死に絶えたと言われる黒死病

が大流行した時代に接触感染症の予防の為に病院で焚かれたというほど消毒と抗菌効

優れた植物です。





古代ギリシャの学生はローズマリーの小枝を髪に絡ませていたというほど大昔から記憶力

を高めるのに良いと言われているローズマリー、幼少期をドイツで過ごした方から勉強部

屋にローズマリーの枝が飾られていたという話を伺った時はなるほどと納得したものです。

「記憶」や「思い出」の象徴ともされシェイクスピアの作品の中にもたびたび登場します。




◇ 若返りの水 ハンガリアンウォーター


ヨーロッパで最初のアルコールベースの香水と言われるハンガリアンウォーター、

14世紀当時は薬効目的で利用されていました。

ハンガリー王妃エリザベート一世(1380-1380)

ハンガリー語名はエルジェベート、調べていたら
彼女はポーランド王家の生まれでポーランド語名
エルジュビェタ・ウォキェトクヴナ。求婚は大き
くなってしまった逸話なのかもなんて思ったり、
そのままロマンチックな気分でいたかったり...
伝説によると若くして夫を亡くし君主になった

ハンガリー王妃エリザベート1世は晩年に手足

痛む病気(リウマチと言われています)を患い

修道院の僧がローズマリーを主体とした痛み止

め薬を献上しました。これをを服用(肌につけ

た、または飲んだとも言われます)するように

なったエリザベートはとても元気になり若さ

取り戻し、そして20代のポーランド王子に求婚

されたエピソードまで!

「若返りの水」と呼ばれ現代に伝わっていま

す。このロマンチックな逸話と同様にオリジナ

ルレシピは様々な説がありますが、抗酸化作用

に優れたフレッシュなローズマリーとライムをブランデーに漬け込んだものが最古のレシ

ピとして良く見られ、後にラベンダー、セージ、ミント、ジョラムなどのシソ科の植

やネロリ、モッコウ、レモンなどが加えられているようです。ハンガリアンウォーターの

方はその後になってヨーロッパ中に広まり18世紀オーコロンになりました。この

ような史実はニコラス・カルパー(1616-1654)が著した"Pharmacopoeia Londinensis" 記載

されています。




Pharmacopoeia Londinensisの初版




◇ 注意

刺激性が強いオイルですが希釈した場合は毒性、刺激性、感作作用はありません。ただし

高血圧症の方には向きませんし、癲癇(てんかん)の方は決して使用しないでください。

通経作用がありますので妊娠中は避けることをおすすめします。

1,8-シネオールという成分が多く含まれるローズマリー・シネオールかベルベノンが多く含

まれるローズマリー・ベルベノンが私はおすすめです。カンファーが多く含まれるローズ

マリー・カンファーはアロマセラピーにはおすすめしません。



◇ 効能

温めて様々な器官を活性化させて強めてくれる作用が高いローズマリーは心身の一体感を感

じられるような心地よい刺激を与えてくれます。



*心に対するはたらき


脳細胞を活気づけ血液循環を増強させることで記憶力や集中力の向上に役立ちます。試験勉

強や大事なプレゼンテーションの前、スプレーをシュッとひと吹きしたり精油をティッシュ

に数滴落とし深呼吸を繰り返すとエネルギーが高まるのを感じられます。

日々の多忙が重なり疲労が増している時や無気力になっている時の芳香浴も効果的です。

ただ、多量の使用は刺激が強すぎることもあるので特に夕方以降は使用量に注意が必要で

す。芳香浴やお風呂で少しの使用なら問題ないと思いますが、ローズマリーを多量に使った

全身マッサージは刺激を与え過ぎて覚醒したような感覚になり夜寝付けないこともありま

す。個人差はあると思いますがくれぐれもご注意を。



*体に対するはたらき


腸の動きを活発にし消化を促してくれるので痛みを伴う胃腸炎や消化不良の時に、また月

経時の痙攣するような痛みや少量月経の時、あたたかいハーブティーを飲んだり腹部マッ

サージオイルに使うと効果的です。バスソルトやバスオイルに数滴まぜるのもおすすめで

す。めまいや貧血に悩む時や低血圧の方は朝に芳香浴をするとからだの循環がよくなり

し、 頭痛や片頭痛が酷い時や風邪予防にも役立ちます。


体を温め神経系の機能を向上させることから寒くなると悪化する関節炎やリウマチ、通風

の治療に有効です。ジュニパーやラベンダーとブレンドすると解毒効果の高いブレンドオ

イルになります。また、ローズマリーは古くからスポーツマッサージに有効とされていま

す。捻挫や挫傷の痛みの軽減に。循環系の活性化を助けることからスポーツ前のマッサー

ジに使用すると筋肉痛やケガの予防になります。オリンピックの選手村でもローズマリー

をブレンドしたオイルがアスリート達に使用されていると聞きましたが集中力を高める効

果も期待してのことだったのだろうと思います。





お肌に対しては皮膚組織を引き締める収斂効果があるので皮膚のたるみやむくみに効果的

です。昔から髪や頭皮のケアにはなくてはならない物でシャンプーをはじめとするヘアケ

アグッズにローズマリーの成分が多く含まれています。

脱毛症やフケに悩む方にはヘアトニック、頭皮の汚れを落とし黒髪を綺麗に保つ為には

ローズマリーを使ったプレシャンプーがおすすめです。





メーカーや産地、採取時期によっても成分や香りの印
象が随分と違います。私は気分によっていろいろな
使用します。右側の日本のメーカーのもの (チュ
ジア産)はグリーンで印象爽やかな印象でディフュ
ザースプレーなど芳香浴の時に。左側のフランス
メーカーのもの(フランス産)は少ししっかり印象で
半身浴やマッサージの時に。何種か手元にあワーク
ショップでは生徒さんにもより好みな方を選んらっ
います。



◇ プレシャンプー用マッサージオイルレシピ

 植物油 小さじ1(5ml)
 精油  (ローズマリー・ペパーミント) 各1滴


植物油はビタミンEを多く含む抗酸化作用

の高いウィートジャム(小麦胚芽)オイルや

セサミオイル、皮膚を柔らかくしてるホ

ホバオイルなどがオススメです。少量指

先につけて地肌をマッサージ。頭皮の汚

れや脂をマッサージオイルで浮かせてか

らシャンプーします。一度に全部を手に

取って頭にかけてしまうと髪の毛が吸収

してしまって地肌に行き届かないことが


あるので少量ずつ指先に取るのがポイント。初めてトライしたとき面倒で一度に全部頭に

かけてしまった私。ロングヘアーがぐんぐん吸収してしまい頭のてっぺんしかオイルがつ

きませんでした(苦笑私はホホバオイルにほんの少しウィートジャムオイルを垂らして精

油を加えています。



頭皮汚れはもちろんですが、毎日忙しかったり考え事や雑念が多くて頭を使い過ぎてる

なーと感じるような時にこれをすると頭皮が柔らかくなると同時に脳みそもやわらかーく

(あくまでイメージ)、かさついていた気持ちも水分が加わって瑞々しくなってくれる気

がしてます。





ローズマリーは例えば冷静で感情よりも理屈で動くタイプの人だったり、線が細くて神経

質なタイプの人に向いている精油です。いつまでも過去に受けた心の痛手をひきずり、悲

しみを抱えている為におおらかに愛情表現ができなくなっている人や、仕事に没頭するこ

とで他人との関わりを心の底では避けているような人にはぜひ試してほしい精油です。

エネルギーを与え自分の芯の部分から再び他人と心を通わせることができるはずです。









◇ おすすめのブレンド

*頭の中がいっぱいでリセットしたい時

ローズマリー2 ベルガモット3 パイン1

*デトックスしたい夜に

ローズマリー2 ラベンダー2 ジュニパーベリー2

*忘れられない日にしたい朝に

ローズマリー4 ローズ1 シダーウッド1



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